セキュリティ技術者の認識レベルについて

イベント当日の状況について、あくまで場の雰囲気ゆえ主観が入りますが、振り返ります。

イベントは技術者の持ちネタの披露という面があり、国内では初ネタを持ち寄る人が大半でした。深夜開催など少し怪しげな雰囲気を演出したのは主催側の意図のようでしたが、講演された方は著名な方が多く、新たな脅威の可能性の示唆や技術的検証が多くを占めました。

そのなかで、office氏のプレゼンは非常に盛り上がりました。会場にはセキュリティ技術者として一流な方々も多く、本当に有罪判決を受けるような危険な事態ならプレゼン直後にイベントを中止すべきですが、そういうこともありませんでした。

これは、認識が甘かったということでしょう。挙句、office氏のプレゼンをサーバにUpしたため、2次流出と言う事態を招きました。

closedな場と認識していた者が多かったと思われます。事前に写真撮影が禁止されているなど、イベントで発表されたネタは口外してはいけないように感じ、危ないネタを期待していた人もいたでしょう。

この認識は、イベントよりも前に施行されている不正アクセス禁止法に対し、技術の進化への適応のために解釈を広げ安全を確保しようとすることに対し、パスワードによるアクセス制御がなければよいと言う安易な線引きとの大きなズレを生じさせています。

技術面のみで争ったoffice氏の闘争も、このズレの範疇内故に、判決文を読む限りにおいては有罪ととれます。

  法の文理解釈と技術面  → 無罪
      ↓範囲を拡大
  行った行為の社会的影響 → 有罪

という感じでしょうか。

(追記) 判決文は無論、無罪などという書き方はしない。・・・であるが・・・ということ、つまり社会情勢、技術の変遷をもって、不正アクセスと解すべきという流れとなっているということ。